今回はヴェロキラプトルを分析します。
スワーヴリチャードは嬉しい産駒の初勝利。
三浦皇成の1000勝も併せてメモリアルレース。
ここから始まるクラシックロード
ヴェロキラプトルのプロフィール
馬名:ヴェロキラプトル(牡)(意味:恐竜の名前)
父:スワーヴリチャード
母:ルーヴインペリアル(母は米国産馬)
母父:Giant’s Causeway
生産:社台ファーム
馬主:加藤 裕司
調教師:高野 友和
スワーヴリチャード自体がハーツ産駒の本格派。
控えてキレが出せるなら面白い血統の予感。
6月の東京芝1800m(新馬)を勝ってクラシック3冠で活躍した馬(過去20年)
クラシック3冠で馬券に絡んだ馬は2頭
2014 マイネルフロスト(ダービー3着)
2022 ジオグリフ(皐月賞1着)
記憶に新しい2022年には皐月賞馬を出した条件。
また牝馬ではあるがユーバーレーベンが見事にオークスを勝利している。
2021 ユーバーレーベン(オークス1着)
6月の東京芝1800m(新馬)を勝ってクラシック3冠に出走したが結果が出なかった馬(過去20年)
該当した馬は次の3頭(別レースで活躍した馬含め)
2014 マイネルフロスト (菊花賞7着)
2020 ワーケア (ダービー8着)
2022 ジオグリフ(ダービー7着)
皐月賞に出走した馬は0頭、ダービーに出走した馬が2頭、菊花賞に出走した馬が1頭
結果は出ていないが、全馬一桁着順と善戦している。
走破タイム評価
当日の馬場傾向
6月24日(土)の東京では5鞍芝レースが行われた。
当日の芝レースの結果と過去5年の平均勝ち時計を比較をしたのが【表1】となる。
(※過去5年の平均=同時期開催の同距離平均決勝タイム)
各レースの平均時計とのタイム差は-0.8秒~0.3秒のという結果。
各レースの距離の差を是正するため、この-0.8秒~0.3秒を
次の【表2】で100mあたりのタイム差に再計算している。
馬場傾向の結果
【表2】の平均を出したのが【表3】となる。
計算の結果、当日の東京の芝は100mあたり0.01秒時計が早い馬場と導き出された。
※仮に芝の2000mレースの場合、平均より0.2秒ほど早い決勝タイムになる馬場だったと想定される状態。
馬場状態から想定される決勝タイム
100mあたり0.01秒時計が早い馬場を踏まえた上での予想される決勝タイムが以下の【表4】となる。
計算の結果は1.50.1秒
ヴェロキラプトルが走った6月24日(土)の東京芝1800m新馬戦ではこの時計が、想定される決勝タイムだ。
結論、ヴェロキラプトルの新馬戦は早かったのか?遅かったのか?
想定決勝タイムと実際の勝ち時計の差が【表5】となる。
結果、タイム差は-0.8秒
つまり
ヴェロキラプトルの勝ち時計は想定されるタイムよりも0.8秒早かった。
ヴェロキラプトルの余力
以下の表は簡易的なレース評価の指標となる。
上記の計算の結果、ヴェロキラプトルは全体時計では平均よりも早いタイムで走っていた。
つまり上の指標では①か②に分類される。
ヴェロキラプトルの使った上り33.8秒が平均よりも早い結果であれば、まだ余力が残っているであろうと想定されるので、次にその計算を行う。
ヴェロキラプトルの上り3ハロンを計算したのが以下の【表6】
結果、タイム差は–0.4秒
つまり
ヴェロキラプトルの上りタイムは想定されるタイムよりも0.4秒早かった。
過去に同条件を勝ち上がった馬たちより早い上りを使えていたという結果は、過去の勝馬以上に脚を残していたと推定できる。
すなわちヴェロキラプトルにはまだ時計を詰める余力があったと推測される。
当日中の馬場変化
6月24日(土)の東京の馬場は全レース良馬場。
途中の降雨も無く1日を通してフラットな馬場状態だった。
ヴェロキラプトルの次走考察
6月の東京芝1800m(新馬)を勝った馬の次走傾向(過去20年)
開催場所
札幌・・・5頭(1.2.0.2)
函館・・・1頭(1.0.0.0.)
新潟・・・5頭(0.2.1.2)
東京・・・3頭(2.0.0.1)
中山・・・4頭(1.0.2.1)
条件
1勝・・・4頭(2.0.1.1)
OP・・・4頭(2.1.1.0)
G3・・・10頭(1.3.1.5)
距離
1600m・・・7頭(1.2.1.3)
1800m・・・7頭(3.2.0.2)
2000m・・・4頭(1.0.2.1)
全成績
(5.4.3.6)
勝率・・・27%
複勝率・・72%
クラシックで結果を残した3頭(ジオグリフ、ユーバーレーベン、マイネルフロスト)は、全馬OP以上の条件の北海道シリーズで複勝圏内に入る結果を残していた。
馬主(加藤裕司)の傾向(過去20年)
6月の新馬戦(1600~2000m)で勝ち上がった馬の次走
同条件で勝ち上がった馬はいませんでした。
調教師(高野友和)の傾向(過去20年)
6月の新馬戦(1600~2000m)で勝ち上がった馬の次走
開催場所
京都・・・1頭(0.0.1.0)
条件
1勝・・・1頭(0.0.1.0)
距離
2000m・・・(0.0.1.0)
全成績
(0.0.1.0)
勝率・・・0%
複勝率・・100%
まとめ
人気よりも走る(タイム評価)
ヴェロキラプトルは想定される勝ち時計に対し、全体時計は0.8秒早く、上り時計は0.4秒早かった。
名前の割にnetkeibaのお気に入り人数は少ない。馬っけ出して勝った上に、こんな名前の馬がこの時期の1800mを勝てばもっと人気になりそうなものだがそうでもない。
それは種牡馬や生産牧場、馬主があまり目立つラインナップではないからに他ならないが、厩舎は関西の名門松国厩舎たたき上げの若き関西のGI厩舎。育成関係はそれなりのバックグラウンドがある。わざわざ東京にまでもっていったのはダービーの予行演習?自身の表れか?
逃げの戦法だったのでレースは今後覚えていく必要があるが、全体時計が早い上に上りもそれなりに使っていたので番手での競馬ができるようであれば面白い。
再遠征はしんどい(次走考察)
次走は夏の重賞か、秋を目指すことになるはずだが、心情的には距離の短縮はしたくないはず。となれば新潟2歳は候補から外れ、出走するなら札幌2歳が有力だが、今回に東京へ遠征した上に再度北海道に遠征するとは考えにくい。
となればやはり秋の京都開催が最有力か。