東京の2日目の牝馬限定1600mを制したのはボンドガール。
33秒の上り脚に界隈は既に興奮状態。
ダイワメジャーにさらにスピードが足されているような感じだから、正直マイルは長そうな印象だが、レシステンシアやカレンブラックヒルも早い時期のマイルGIは戦えていたので、何とかごまかしながらというイメージだろうか。
レースの見た目もスピード感満載という内容だったから抑えがどこまで効くのか注目したいところ。
そんなボンドガールの新馬戦を考察してみよう。
クラシック路線に乗るルート
6月の牝馬限定東京芝1600デビュー勝ちでクラシックで活躍した馬(過去10年)
6月の牝馬限定東京芝1600mデビュー勝ちからクラシック3冠で馬券に絡んだ馬は次の1頭
桜花賞 2021 サトノレイナス(2着)
オークス 該当馬なし
秋華賞 該当馬なし
桜花賞のみ馬券に絡んだ馬がいる。
一方、オークス、秋華賞で馬券に絡んだ馬はいない。
該当馬の次走
サトノレイナス➡中山芝1600m サフラン賞(1勝)1着(2020.8.31)
サトノレイナスのサフラン賞は内容的に完勝。
仮にボンドガールの次走が1勝クラスならクラシックを見据え完勝してほしいところだ。
牝馬3冠に出走はしたが馬券内に入れなかった馬(過去10年)
6月の牝馬限定東京芝1600mデビュー勝ちから牝馬3冠に出走した馬は2頭(4着以下)
2019年 ジョディー
2015年 テンダリーヴォイス
はたしてボンドガールの結果や如何に。。。
走破タイム評価
当日の馬場傾向
6月4日(日)の東京では芝レースが6鞍行われた。
それぞれの決勝タイムと過去5年の平均のタイムの比較をしたのが【表1】となる。
(※過去5年の平均=同開催時期の同距離平均タイムとしています。)
距離が違うので当然なのだが、タイム差は-1.7秒~+0.7秒の幅でバラバラだ。
そこで
タイム差を正確に計算する為、各レースを同じ単位で比較できるよう処理する。
そして
次の【表2】が100m辺りのタイム差に統一し計算した結果だ。
導き出された当日の馬場傾向
下の【表3】は6レースの平均を計算したものになる。
計算の結果
当日の阪神の芝は100mあたり平均より0.03秒早い馬場という結果となった。
100mあたり0.03早い馬場での予想勝ち時計
馬場を踏まえた結果が以下の【表4】だ。
計算の結果
当日の馬場であれば1.36.0(想定決勝タイム)が平均的な勝ち時計であると計算された。
ボンドガールが勝った新馬戦のタイムレベル
想定決勝タイムと実際のか勝ち時計の差が【表5】となる。
結果
ボンドガールは当日の想定決勝タイム1.4秒早い時計で走っていた。
ボンドガールの余力
以下の表は簡易的なレース評価の指標となる。
全体時計が想定よりも早かったため、既に内容的には強かったと言える。
あとは上り時計にどれほど余力があったかがカギになる。
ラスト3ハロンの計算したのが以下の【表6】
結果は
上り3ハロンも過去の平均に比べ0.7秒早く数字上は①のカテゴリーで評価の高いレースだった。
回復傾向だった当日の馬場
さらに当日は3、5レースが稍重馬場、6、7、9、11レースが良馬場であった。
当ブログの分析は、基本的には馬場状態は均一であることを前提にして傾向を出しているため、1R~12Rの間で馬場傾向が変わる時、時計が出にくい時間帯のレースは計算上不利な数字になる。
そのあたりのことも踏まえると、内容的にはさらに良い評価を与えざるを得ない。
時計としては非常に楽しみな内容だったと言える。
タイム評価のまとめ
素直に評価
全体時計は1.4秒早く、上り時計も0.7早い。
2着との差は3/4馬身とは言え、ボンドガールは追い出しを待たされていた。各所で上り33.0秒に対するコメントもあるようだが、追い出しの分も考慮すれば更に早い上りを使えていた可能性もある。稍重馬場であることを考えれば、凄まじい時計であったことが判る。また、待たされながらの競馬内容も、操縦性高く「ニクイ」ぐらいプラスポイントは多い。
正直なところ、前日9馬身差のシュトラウスより時計的な内容は濃いと推察される。
ボンドガールの次走考察②
6月の牝馬限定東京芝1600mデビュー勝ち組の次走傾向(過去10年)
札幌・・・2頭
新潟・・・6頭
中山・・・1頭
殆どの馬が一旦休養で成長を測り晩夏から出動。
2戦目に関西に持っていく馬はいなかった。
馬主(藤田晋)の傾向(過去10年)
同時期に東京で勝ち上がった馬はいませんでした。
調教師(手塚 貴久)の傾向(過去10年)③
同時期に東京で勝ち上がった馬はいませんでした。
次走考察のまとめ
あとは力関係を測るだけだが!?
今回のレース内容でボンドガールは全体時計、上り時計、番手での折り合い、抜け出しの操縦性と殆どの問題をクリアしていたように思える。現状特に注文はないはずだ。
したがってこの後は無理にレースを使う必要は無く、秋の主要ステップから世代の上位馬との力関係を測れば良い。手塚調教師もフィエールマンがそうだったように、ゆっくりと育てる事ができる関東のGI厩舎である。
ただ、馬主はどうだろうか。押しも押されぬ有名人「藤田晋」だが、重賞勝ちはジャングロ1頭のみで他のタイトルも欲しいところ。実際ジャングル自体も未勝利勝ちから半年で6走もしている。
これだけの内容のレースができる実力馬を持っていて、目の前に勝てそうな重賞があれば手を出したいのは人心。奇しくも同条件でデビューした馬の次走として最も多いのが新潟2歳ステークス。このあたりを狙ってくる可能性も結構高そうだ。