ジャスタウェイでお馴染みの大和屋暁氏の持ち馬ヒヒーンが出陣し、過去10年でサートゥルナーリアやレッドリヴェールを出した出世レースの一つである6月の阪神1600mを勝利。
父はジャスタウェイ、母も同氏の持馬イイナズケとロマンを感じる配合。名前も可愛く覚えやすい。まだまだ半信半疑のファンたちも次走でしっかり結果を出せば一気に人気に火が付きそうな感じだ。
須貝厩舎は先週のテラメリタに続き早くも新馬戦2勝目(共に阪神芝1600m)で絶好調だ。先週出走させたという点でテラメリタの方が期待は大きそうだが、勝ちっぷりという意味においては本馬にも期待が高まる。
ということで今回はヒヒーンの今後を占うため新馬戦を紐解いてみよう。
ここから始まるクラシックロード
6月の阪神芝1600デビュー勝ち組でクラシックで活躍した馬(過去20年)
牝馬のクラシック3冠で馬券に絡んだ馬は2頭
2014 桜花賞 レッドリヴェール(2着)
2011 秋華賞 アヴェンチュラ(1着)
牝馬ではアヴェンチュラとレッドリヴェールが排出された条件。
しかし、レッドリヴェール以降10年結果が出ていない厳しい条件である。
またオークスで結果が出た馬はいなかった。
牝馬3冠に出走したが結果が出なかった馬(過去20年)
該当した馬は次の2頭
2008 ポルトフィーノ 桜花賞 取り消し
2014 レッドリヴェール ダービー(12着)秋華賞(6着)
(※レッドレヴェールはオークスではなくダービーを選択しました。)
2020 リアアメリア 桜花賞(10着)オークス(4着)秋華賞(13着)
クラシックに進むことができた馬も過去20年でたった4頭である。
走破タイム評価
当日の馬場傾向
6月10日(土)の阪神では5鞍芝レースが行われた。
当日の芝レースの結果と過去5年の平均勝ち時計を比較をしたのが【表1】となる。
(※過去5年の平均=同時期開催の同距離平均決勝タイム)
各レースの平均時計とのタイム差は-2.9秒~0秒のという結果。
各レースの距離の差を是正するため、この-2.9秒~0秒を
次の【表2】で100mあたりのタイム差に再計算している。
馬場傾向の結果
【表2】の平均を出したのが【表3】となる。
計算の結果、6月10日(日)の阪神の芝は100mあたり0.07秒時計が早い馬場と導き出された。
※芝の2000mレースの場合、平均より1.5秒ほど早い決勝タイムになる馬場状態だったと推察される。
馬場状態から想定される決勝タイム
0.07秒時計の早い馬場を踏まえた上での予想される決勝タイムが以下の【表4】となる。
計算の結果は1.35.1秒
ヒヒーンの新馬戦ではこの時計が、想定される決勝タイムだ。
ヒヒーンの新馬戦は早かったのか?遅かったのか?
想定決勝タイムと実際の勝ち時計の差が【表5】となる。
結果、タイム差は1.5秒
ヒヒーンの勝ち時計は想定されるタイムよりも1.5秒遅かった。。
ヒヒーンの余力
以下の表は簡易的なレース評価の指標となる。
上記の計算の結果、ヒヒーンは全体時計では平均よりも遅いタイムで走っていた。
つまり指標では③か④に分類される。
上り33.7秒が平均よりも早い結果であれば、まだ余力残ということで次走にも期待が持てるのだが。。。
ラスト3ハロンの計算したのが以下の【表6】
結果は平均よりも0.2秒遅かった。
ヒヒーンの新馬戦は全体時計、上り時計共に想定される平均時計より遅かった。
当日中の馬場変化
6月10日(土)の阪神は全レース良馬場。
途中の降雨も無く1日を通してフラットな馬場状態だった。
ヒヒーンの次走考察
6月の阪神芝1600m(新馬)を勝った馬の次走傾向(過去20年)
開催場所
札幌・・・6頭(1.2.0.3.)
函館・・・1頭(1.0.0.0.)
新潟・・・5頭(1.0.1.3)
東京・・・1頭(1.0.0.0)
中京・・・5頭(2.2.1.0)
京都・・・7頭(2.2.1.2)
阪神・・・1頭(1.0.0.0)
条件
G2・・・1頭(0.0.1.0)
G3・・・10頭(2.1.1.6)
OP・・・13頭(7.4.1.1.)
1勝・・・2頭(0.1.0.1)
距離
1400m・・・3頭(1.1.0.1)
1600m・・・10頭(3.2.3.2)
1800m・・・10頭(4.3.0.3)
2000m・・・3頭(1.0.0.2)
全成績
(9.6.3.8)
後に牝馬三冠で馬券内に入った馬は、いずれも2戦目の重賞で連対していた。
馬主(大和屋暁)の傾向(過去20年)
6月の新馬戦(1600~2000m)で勝ち上がった馬の次走
該当馬はいませんでした。
調教師(須貝尚介)の傾向(過去20年)
6月の新馬戦(1600~2000m)で勝ち上がった馬の次走
開催場所
札幌・・・1頭(1.0.0.0)
中京・・・1頭(0.0.0.1)
条件
G3・・・1頭(1.0.0.0)
1勝・・・1頭(0.0.01)
距離
1800m・・・(1.0.0.0)
2000m・・・(0.0.0.1)
全成績
(1.0.01)
まとめ
危険な香り
想定される勝ち時計に対し、全体時計は1.5秒遅く、上り時計も0.2秒遅い。
それにも関わらず、レース自体は1.3/4馬身差の完勝とゆう内容(3着はさらに3馬身差)からある程度の人気が想像される。上りも33.9秒とギリギリではあるが33秒台で走破している事は新聞紙上でみるとかなり印象が良く、決め手もあるようなイメージが膨らむ。
社台系の人気馬との兼ね合い次第ではあるが、個人的には人気先行になり危険な匂いがプンプンする。
タイトルを目標に!?
データ的には次走はOP以上のレースに出走する可能性が高いわけだが、同厩舎のテラメリタが同時期に同距離で勝ち上がっているので、こちらとの使い分けがあるものと考えられる。(テラメリタは秋まで成長を待つのではと予想中)
時期が早いことから上級戦も多くないため、その辺りを考慮しながらの使い方になるだろう。
それを踏まえた上で、本馬ヒヒーンは個人馬主の馬であり、基本的には取れるところのタイトルは取りに行きたいものと考えられる。決め手もほんのり感じる時計内容を考えると、一旦放牧を挟んで新潟2歳あたりが目標になるのではないか。