今回はレガレイラを分析します。
今年も来ましたルメール✖キムテツ厩舎。
個人的にはここまでの新馬戦でNO1の勝ちっぷり。
ここから始まるクラシックロード
レガレイアのプロフィール
馬名:レガレイラ(牝)(意味:ポルトガル中西部の都市シントラにある宮殿)
父:スワーヴリチャード
母:ロカ(ディープの一族、阪神JFを1戦1勝で1番人気に押された期待馬)
母父:ハービンジャー
生産:ノーザンファーム
馬主:(有)サンデーレーシング
調教師:木村哲也
スワーヴリチャードが中々に面白い勝ち上がり馬を輩出している。
血統的にも奥がまだありそうで楽しみ満点。
7月の函館芝1800m(新馬)でデビューし牝馬クラシック3冠に出走した馬(過去20年)・・・①
この条から牝馬クラシック3冠までたどり着いた馬は12頭
2004 ヤマニンシュクル(桜花賞3着)(オークス5着)(秋華賞2着)
2007 ローブデコルテ(桜花賞4着)(オークス1着)(秋華賞10着)
2009 クーデグレイス(秋華賞4着)
2011 スピードリッパー(桜花賞10着)(オークス5着)(秋華賞13着)
2013 ローブティサージュ(桜花賞5着)(オークス9着)(秋華賞11着)
2015 ノットフォーマル(桜花賞5着)(オークス13着)(秋華賞15着)
2017 ハローユニコーン(オークス14着)(秋華賞15着)
2018 シスターフラッグ(オークス12着)
2019 コントラチェック(オークス9着)(秋華賞15着)
〃 ウィクトーリア(オークス4着)
2021 ソダシ(桜花賞1着)(オークス8着)(秋華賞10着)
2023 キミノナハマリア(オークス18着)
かつてローブデコルテ、ソダシを輩出した条件。
全12頭中11頭がオークスに出走しているのも注目すべき点だ。
①の内新馬戦を勝っていた馬(過去20年)
2004 ヤマニンシュクル(桜花賞3着)(オークス5着)(秋華賞2着)
2007 ローブデコルテ(桜花賞4着)(オークス1着)(秋華賞10着)
2013 ローブティサージュ(桜花賞5着)(オークス9着)(秋華賞11着)
2018 シスターフラッグ(オークス12着)
〃 ウィクトーリア(オークス4着)
2021 ソダシ(桜花賞1着)(オークス8着)(秋華賞10着)
2023 キミノナハマリア(オークス18着)
ローブティサージュ(阪神JF1着)も含め後にGI勝ちする馬は新馬戦を勝っていた。
走破タイム評価
当日の馬場傾向
7月9日(日)の函館では芝レースが7鞍が行われた。
当日7鞍の芝レースの決勝タイムと過去5年の平均決勝タイムを比較をしたのが【表1】。
(※過去5年の平均決勝タイム=同時期開催の同クラス同距離平均決勝タイム)
単純に過去の平均と比較すると、レガレイラは過去の平均値より1.5秒早く走ってたことがわかる。
ただし【表1】の比較には当日の馬場傾向が考慮されていない。
例えば、
時計の早い日に過去の平均より早く走破して評価は上りにくい。
同様に
時計の掛かる日ならば平均より遅くても価値は下がりにくい。
タイム計算をする際にはそういった部分を考慮しなければならない。
そこで、当日のタイム計算を正確にするため各レースのタイム差である-1.5秒~2.7秒差をレース毎に100mあたりのタイム差に再計算する。
(これは各レースのタイム差を統一基準で計算するため。)
再計算した結果が以下の【表2】である。
当日の馬場傾向(【表2】の平均値)
【表2】の平均を出したのが以下の【表3】。
7レースの傾向を平均した結果である-0.02というのが当日の馬場の傾向となる。
タイム計算をする際には、
当日の馬場傾向(100mあたり-0.02秒)を踏まえた上で
過去の平均タイムと比較する必要がある。
馬場状態を踏まえた新馬戦の想定決勝タイムは
100mあたり-0.02秒の馬場を計算に入れ再計算された想定決勝タイムが以下の【表4】となる。
計算の結果は1.51.2秒
レガレイラが走った7月9日(日)の函館芝1800m(新馬戦)ではこの1.51.2秒が、想定される決勝タイムと導き出された。
結論、レガレイラの新馬戦は早かったのか?遅かったのか?
想定決勝タイムと実際の勝ち時計の差が【表5】となる。
結果、タイム差は-1.4秒
つまり
レガレイラの勝ち時計は想定されるタイムよりも1.4秒早く走っていた。
レガレイラの余力
以下の表は簡易的なレース評価の指標となる。
上記の計算の結果、レガレイラは全体時計でわずかではあるが平均よりも早いタイムで走っていた。
つまり上の指標では①か②に分類される。
レガレイラの使った上り34.3秒が過去の勝馬の平均よりも早いか遅いかでゴール時点での余力を想定する。
下の【表6】がレガレイラの上り3ハロンを計算したもの
結果、タイム差は-1.1秒
レガレイラは想定される上りタイムより1.1秒早い決め手を使ってた。
すなわちレース全体を-1.4秒早い時計で走りつつ、さらに余力も十分に残っていたと想像される。
当日中の馬場変化
7月9日(日)の函館の馬場は全レース良馬場。
途中の降雨も無く1日を通してフラットな馬場状態だった。
レガレイラの次走考察
7月の函館芝1800m(新馬)を勝った馬の次走傾向(過去20年)
開催場所
札幌・・・30頭(5.4.2.19)
函館・・・4頭(0.2.0.2)
新潟・・・1頭(0.0.1.0)
東京・・・2頭(1.0.0.1)
中山・・・3頭(1.1.0.1)
京都・・・2頭(0.1.0.1)
阪神・・・1頭(0.1.0.0)
小倉・・・1頭(0.0.0.1)
条件
1勝・・・2頭(1.0.0.1)
OP・・・15頭(4.6.0.5)
G3・・・26頭(2.3.3.18)
G2・・・1頭(0.0.0.1)
距離
1200m・・・1頭(0.1.0.0)距離短縮
1400m・・・1頭(0.1.0.0)距離短縮
1500m・・・2頭(1.1.0.0)距離短縮
1600m・・・1頭(0.0.1.0)距離短縮
1800m・・・35頭(5.5.2.23)同距離
2000m・・・4頭(1.1.0.2)距離延長
全成績
(7.9.3.25)
勝率・・・16%
複勝率・・43%
殆どの馬が1800m以上に出走。マイル以下に距離を落としてこない。
基本的には札幌のOP、G3を目標に動く。
馬主((有)サンデーレーシング)の傾向(過去20年)
7月の新馬戦(1600~2000m)で勝ち上がった馬の次走
開催場所
新潟・・・1頭(1.0.0.0)
東京・・・2頭(0.2.0.0)
中山・・・1頭(0.0.1.1)
中京・・・1頭(0.0.0.1)
阪神・・・1頭(0.1.0.0)
条件
OP・・・4頭(0.1.1.2)
G3・・・3頭(1.2.0.0)
距離
1600m・・・3頭(1.2.0.0)
1800m・・・1頭(0.1.0.0)
2000m・・・3頭(0.0.1.2)
全成績
(1.3.1.2)
勝率・・・14%
複勝率・・71%
案外勝ってはいない。
社台グループはこの時期あまり成績が良いわけでは無い。
調教師(木村哲也)の傾向(過去20年)
7月の新馬戦(1600~2000m)で勝ち上がった馬の次走
開催場所
札幌・・・1頭(0.0.1.0)
東京・・・2頭(0.0.0.2)
中山・・・2頭(1.0.0.1)
阪神・・・1頭(0.1.0.0)
条件
1勝・・・1頭(0.0.0.1)
OP・・・2頭(1.1.0.0)
G3・・・3頭(0.0.1.2)
距離
1600m・・・2頭(0.0.0.2)
1800m・・・3頭(0.1.1.1)
2000m・・・1頭(1.0.0.0)
全成績
(1.1.1.3)
勝率・・・17%
複勝率・・50%
預けられる馬の傾向からなのだろうか?距離は長い方が好走率が高い。
スプリンターやマイラーよりクラシックディスタンスに強い馬が集まっているのだろう。
まとめ
タイム評価:勝ちっぷりも時計も良い
レガレイラは想定される勝ち時計に対し、全体時計では1.4秒早く、上り時計では-1.1秒早かった。
内容が非常に良い。
スタートはややゆったり(というか少し下手?)気味に出たが、道中の折り合いにも特に問題なく直線の反応鋭く他馬を置き去りにした。
最後の直線だけの勝ちっぷりなら、スローの新馬戦の展開ではよく見られること。だが今回は全体時計も優秀な内容。
厩舎、ジョッキー、育成も何も問題なく時計的にもまだまだ奥が深い。
正直文句をつけるところがない。次回以降も人気必死だが逆らいずらい。
次走考察:札幌2歳か秋まで休養か
この条件を勝ち上がった馬は大体次走にコスモス賞か札幌2歳を選んでくるが、この馬主、この調教師にあってコスモス賞なんぞに使ってくることはまずない。
距離の観点から言えば、年末の阪神JFを含め牝馬クラシックはまず1600mへの出走が必須なので変に2000mに使ってくることも無いようには思う。
となれば1800mの札幌2歳か秋の東京マイルG3ということになるが、これだけのスケールの馬を敢えてアルテミスSに持ってくるかは少し謎。(東スポ?はもっとないよね?)
サンデーレーシングの勝ち上がりで結構強そうなギャンブルルームが札幌2歳ということなので、やはり秋のマイルか?